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2015.04.06 Monday | category:-
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沈まぬ太陽(二) ―アフリカ篇・下―

カラチからテヘランへと異動になった恩地の元に届いたテレックスに記されていたのは、母が危篤であるという報せだった。急いで帰国の途に就いたものの、何度も飛行機を乗り継ぎ日本までは丸一日以上かかる。道中で母の死を知らされた恩地は、母の死に目に会うことすら叶わなかった。

いずれ日本に返すという桧山社長の言葉を信じていた恩地だったが、非情にもアフリカの地への赴任を言い渡される。抗議するために帰国してみれば、肝心の桧山は床に伏し、組合の仲間達も左遷させられていた。自分を信じてくれている仲間のためにも逃げ出すことは出来ず、恩地は単身ナイロビへ渡る。オフラインのワンマンオフィスで何をすればいいのかも分からない、満足な仕事すら与えられない日々。単身赴任を続ける恩地はアフリカでハンティングにのめり込んでいく。ゴルフも麻雀もやらない彼にとって、それは唯一の娯楽だった。

アフリカで仕事をしている日本人や現地の人々などとの新しい出会いもある。この小説の中では一部蛇足ではないのかと思えるような個人のエピソードもいくつか出てくるんだけど、まぁまだ2巻なのでもしかしたら後々何かに関連してくるのかもしれない。少なくとも、大変な思いをしている人達は他にもいて、日本から遠く離れた土地で孤独と戦っているのは恩地だけではなかった。

徐々にアフリカでの人脈を繋いでいく中、国民航空は墜落事故を頻発させる。整備ミス、操縦士の経験不足、会社側に落ち度があることは否定できず、国民航空は航空会社としての信頼を失いかけていた。

そして、労組の組合員達の頑張りもあり、恩地の足掛け10年に及ぶ僻地勤務はようやく終わりを迎える。


下巻でようやくアフリカメインのストーリー。一言頭を下げて、もう組合とは関わらないと約束すれば国内での昇進を約束すると、そう言われても恩地はそれを受け入れなかった。ひとえに彼の信念と、自分を信じて待っていてくれる仲間達への思いがそうさせたのだが、恩地のその決断は妻子を苦しませることになる。

僻地で孤独と戦い続けた彼はとても芯の強い男だ。それだけに人望も厚いけれど、会社の上層部からは疎まれる。本来できる男であるゆえに、組合でその力を発揮されると困るからだ。国内勤務が決まっても出世街道に乗ったわけではないし、この先もどのような扱いを受けるのか分からない。それでも、家族と離れて単身アフリカで過ごしていた時期を思えば、アフリカへの別れを告げるこの巻のラストは希望に満ちている。

2010.08.29 Sunday | category:読書
| りんこ | 22:36 | comments(0) | - |
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